前置き
年明けからまた新たにNISAの枠が120万円分付与されますね。
ロールオーバーなどのない方であれば120万円をどう使うかは今から頭を悩ませる問題ではないでしょうか?
高配当株を狙うか?
キャピタルゲインを狙うか?
仮に利回り3%の銘柄を120万円分購入した場合、5年間の配当金は18万円です(増減配は考慮せず)
18万円の配当金に20.315%の税金が通常かかるわけですが、これがNISA枠ならば非課税となり、36567円分お得となるわけです。。
『えっ!!5年でたった36567円??』
と思った方も多いと思います。
はっきり言ってこれを数年、数十年続けるにあたり、途中途中でかなりの誘惑に襲われることが想像できます。
今やSNSで売買報告が頻繁に投稿される時代です、そして多くは…というか無意識に心に残るのは爆益報告でしょう。。
そういった投稿を見せられ続けると『僕(私)も一気に儲けたい!!』と思うことが一度や二度ではないと思います。
わたくしもNISAを始めて5年が経過、初のロールオーバーを今年初体験したわけですが、上記のような誘惑に何度も負けそうになりました、ていうか負けましたww
『これは無理だ、キャピタルも多少追わないと精神的に持たない…』と感じ、NISA枠の一部を”完全キャピタル狙い”としてバランスを取りました。
NISAを始めたての方、または始める予定の方はこういった側面があると認識して頂くと、資産運用のシュミレーションにもより具体性が出る事でしょう。
前置きが長くなりました、上記をふまえて今回やりたいことは…
2021年のNISA枠で購入したい小型株を検証しよう
というコーナーです。
5年の非課税期間をストレスなくバランスよくフル活用できるような購入例を紹介してみたいと思います。
NISA枠を使うにあたり、最も忘れてほしくないことは『監視銘柄を最大限増やしておく』ことで、せっかくの購入タイミングが訪れても監視してなければ痛恨のスルーとなってしまいます。
そんな監視銘柄に今回紹介する銘柄を加えていただければ幸いに思います♪
インカムゲイン(長期)銘柄紹介
まずはインカム狙いの長期銘柄をピックアップ致します。
最低5年の長期狙いにて重要なチェック項目は…
① 売上高が毎年増加している(増配期待)
② 3%以上の利回りで、配当が毎年増加、もしくは減配しない
③ 財務がしっかりしている
④ 業種が隆盛産業に属している
⑤ その他決算やチャートもチェック
と、こんな感じです。
①の売上高は会社が守りに入らず、しっかりと業績の拡大を狙っているかを確認できます。
業績が良くなる兆しがないと、増配も株価上昇も期待できないからです。
②は減配リスクを避けつつ、高配当の証である3%利回りを確保するためです、が、場合によっては(期待度が高い会社であれば)2.5%まではわたくしの許容範囲としています。
③はさほど重きを置く必要はありませんが、自己資本比率40%以下の銘柄は基本的に避けます、今後のイレギュラーに対応できる最低限の資本は確保しておいて欲しいからです。
④は①とほぼ同じ理由です、やはり伸びる業種を狙うのが最も合理的でしょう。
⑤は決算も極端にこけてないか、株価位置が極端に高くないか、は最低限見ておきたいからです。
以上を考慮に入れるのですが、入り口はやはり④の『業種』を絞ることから始めることになります。
これは正直前々から決めていました、ズバリ…
『堅実系IT銘柄』
です。
以前、ブログ内で記事にしましたこの投稿からいくつか選ぶことになります、まだ未読の方は読んでみてね↓
長期で狙うのであればやはりIT系、しかも業績も財務も安定している堅実系をおすすめ致します。
このカテゴリでまずはインカム部門としてNISA枠の半分、60万円の資金を充てたいと思います。
それでは銘柄紹介に移ります。
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ジャステック(9717) 株価:1319円(12/28終値)
システム開発・販売専業。一括請負を志向。金融や通信を中心に多方面に顧客を持つ。独立系
四季報より
各指標評価はA~Eの5段階で表しています↓
<<各指標評価>>
売上高(B)…足踏みする年もあるが、基本は上を臨める
配当(C)…利回りは2.3%と少し弱いが、株価調整中なので2.5%までは引き付けたい
業種(B)…対応業種が多岐にわたっており、業績慎重の安定感は高評価
財務(A)…流石の堅実系IT銘柄、自己資本比率84%で負債もほとんどない
株価位置(C)…調整中ではあるが、日足200MAは絶好の押し目ポイントと見る
その他(B)…貸借倍率1.53倍、直近決算好調、PER14.4倍
総合評価はC寄りのBで、購入は少し待って日足の200MAまで引き付けたいところですね。
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IDホールディングス(4709) 株価:1258円(12/28終値)
独立系SIer。システム運営管理を主力にITサービス提供。米国ベンチャーファンドに出資
四季報より
<<各指標評価>>
売上高(B)…ここ2.3年は停滞気味だが、子会社買収に積極的でIT環境導入チャンスはまだまだ期待できる
配当(A)…利回りは4%で文句なし!!
業種(B)…先にも触れたが、積極的なIT環境導入の過渡期であり、販路拡大に追い風
財務(C)…自己資本比率61%で特に問題はない
株価位置(A)…日足、週足共に200MAをくぐっており、買いのチャンスだ
その他(C)…貸借倍率11.7倍、直近決算微妙、PER11.5倍
総合評価はBで、かなりの逆張りとなり若干勇気はいりますが、買いやすさは抜群。
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SRAホールディングス (3817) 株価:2539円(12/28終値)
独立系のシステム開発一括受託会社。Linux等オープンソース系に強い。海外展開積極化
四季報より
<<各指標評価>>
売上高(B)…地味に伸びてきたが、21年はさすがに減少する見込み
配当(A)…利回りは4.3%でこちらも文句なし!!
業種(C)…海外展開が積極的とのことで一味違った楽しみがある
財務(C)…自己資本比率60%で特に問題はない
株価位置(B)…日足は綺麗な形で、週足に過熱感もなく買いやすい
その他(B)…貸借倍率55.2倍、直近決算普通、PER10.8倍
総合評価はA寄りのBで、暫く待って日足の200MAが上向きになり、近づいてから買いたいところです。
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ユニリタ (3800) 株価:2009円(12/28終値)
独立系ソフト開発会社。メインフレームからオープン系までカバー。15年にビーコンITと合併
四季報
<<各指標評価>>
売上高(B)…19年から一気に伸ばしている、今後も期待できそう
配当(B)…利回りは3.3%で素晴らしい!!JCBギフトカードももらえます
業種(C)…クラウド事業が伸びているが、他セグメントもまだまだ伸びしろあり
財務(A)…自己資本比率77%で問題なし
株価位置(B)…すぐに購入できそうな位置だが、もう少し辛抱してもいいかな
その他(D)…直近決算普通、PER20.5倍
総合評価はC寄りのBで、配当&優待だけでも購入価値は高いですね!!
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アイティフォー (4743) 株価:903円(12/28終値)
独立系SIベンダー。ネットワーク構築や延滞債権管理システム等のソフト開発に強み。無借金
四季報より
<<各指標評価>>
売上高(B)…今年3月発表で一気に伸ばした、継続期待!!
配当(C)…利回りは2.5%でギリギリ許容範囲
業種(B)…BPO、マルチ決済端末共にしっかり伸ばしており、期待度も高い商材だ
財務(A)…自己資本比率78%で問題なし
株価位置(C)…週足が支持線に当たるまでひきつけたい
その他(C)…貸借倍率3.5倍、直近決算良い、PER18.9倍
総合評価はC寄りのBだが、今回紹介した中では上位のおすすめ度です、組み入れ確定ですね♪
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以上の銘柄から60万円になるように様子見て組み入れたいですね♪
ほとんどの銘柄がしばらく様子を見て調整を確認してから入りたい位置なので、監視をしっかりして出来るだけベストなタイミングを見計らいたいところです。
キャピタルゲイン(短~中期)銘柄紹介
それではお楽しみの(?)キャピタルゲイン狙いの銘柄紹介です。
前述したように、たとえ配当利回り3%の銘柄を120万円購入しても、特定口座とNISAでの買い付けでは5年間で税金分差額36567円の恩恵しか受けられません。
もちろん増配がされればされるほど恩恵は受けられるわけですが、鳴り物入りの制度としては少し物足りないと感じませんか?
値上がり益を取るのが得意な方はキャピタルゲイン目的全振りしても全然問題ありませんし、むしろ恩恵は莫大だと思います。
少し計算してみましょう。。
年間120万円の枠を全てキャピタル狙いに絞ったとし、10万円の利益を5年間続けたとします。
5年間で利益は50万円、そこに通常ならば20.315%の税金がかかり101575円が引かれるわけですが、これが非課税となります。
もちろん、更に利益を出すことが出来ればもっととんでもない恩恵があるわけですが、デメリットとして損益通算(マイナス分をプラス分で相殺すること)が出来ません。
つまり、NISA枠でキャピタルゲインを狙うのであれば『損切りは悪』となります。。
と、ここで人は2択を迫られます。。
『非課税を最大限活かすために特大ホームランを狙う』or『損益通算が出来ないデメリットを最小限に抑えるために確率の高いヒットを狙う』
個人的には前者を推しますが、無謀な銘柄を購入しろ、と言っているわけではなく、ひとつの理念に基づいて銘柄選定をお勧めします、それは…
非課税期間の5年間の内に最大風速がより強烈になりそうな銘柄を選ぶ
です。
5年をMAXに、確実に資金が集まりそうなテーマを見つけ、関連銘柄を購入し、一番加熱した時に売却することで、NISAのパフォーマンスを最大限利用します。
残念ながら現在は真っ新なテーマというのはありませんが、もし今後、新テーマが出て、資金が集まりそうであれば迷わず初動で買って寝かせましょう、キャピタル狙いならこれが一番簡単です。
『それでは資金効率が悪い』という声も聞こえてきそうですが、ここではあくまでインカムゲインとの相対で考えていますので、圧倒的に資金効率は良いです。
と、いうわけでここまでNISAでのキャピタル狙いの概要を長々と説明させていただきましたが、前述した通り、新テーマはありませんので、それに関する銘柄はご紹介できません。。
ですが、少しだけ期待度のある銘柄をいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。
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まず1つ目の狙うテーマは『EV』です。
もちろん皆様ご存じの通り、EVは既に動意づいています。
しかし今回注目するのはEVはEVでも…
天下のトヨタ自動車のEV関連
を狙います。
トヨタといえば、プリウスを市場に投入し、ガラッと自動車業界の構図を塗り替えた前例があり、日本では今や猫も杓子もハイブリッド車ばかりとなりました。
そんなトヨタですから、きっと満を持して世界最強のEV車をいずれ全世界に発表すると期待しています。
実はトヨタも『シーポッド』というEV車を発表しています、が、これは二人乗りの超小型EV車であり、一般受けは難しいです。
また、RAV4サイズの新型SUVを2021年に欧州に導入することも発表されています。
これを皮切りに様々なタイプのEV車を開発、販売予定であるそうなので、近い将来トヨタのEV車がプリウス並みに普及する可能性も決してないとは言えない状況です。
というわけで、『トヨタ』『EV』のテーマを内包した小型株をご紹介します。
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オハラ(5218) 株価:1652円(12/29終値)
光学ガラス老舗メーカー。生産量は国内トップ。一貫生産に強み。セイコー、キヤノンが大株主
四季報より
オハラはトヨタと共同で全個体電池の特許を出願しており、トヨタが盛り上がればおそらくここも恩恵があるであろう、との思惑です。
チャートも日足は綺麗で、押し目を狙いやすい形ですし、週足は200MAを越えられずにいるため、購入チャンスはありますが、PERは67倍と高いです。
今期の通期予想は黒字転換予想なので、そこそこ強い動きはすると思います。
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大豊工業 (6470) 株価:729円
トヨタ系中堅。滑り軸受け(メタル)、ダイカスト製品、金型が3本柱。7割弱がトヨタG向け
四季報より
トヨタが堂々、大株主に君臨する自動車部品会社です。
チャートは日足が200MAをしっかり抜いており、週足も75MAが支持線として機能しそうな形で悪くありません。
ただし業績が芳しくなく、材料が顕在化しないうちは我慢の保有となりそうなところは覚悟が必要ですね。
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その他の銘柄はバババっと箇条書きします。
千代田化工建設 (6366)…CCS関連。経営かなり危ないが巨大材料もあり。
ソルクシーズ (4284)…近未来、日本の証券業を牛耳るであろうSBIが筆頭株主だから
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 (4576)…5年あれば一回は跳ねると思うよw
ガーラ (4777)…上に同じww
テックファームホールディングス (3625)…カジノが再燃する時があれば…
ざっとこんなところです、まだまだありますが枠も限られてるのでこれくらいから選べば十分でしょう。。
とにかくキャピタル狙いであれば『損切をしない』『5年以内に現株価より高騰する可能性がある』の2つを基本に銘柄チョイスをしてみてくださいね♪
まとめ
NISAという一見素晴らしい施策もいざ深堀りすると実はそれほどでもないことって世の中には結構あるものです。
しかし、NISAを利用&管理に費用は一切かかりませんので、利用しない選択肢はありません。
今回はNISAだからと、長期一辺倒という使用法に一石を投じてみたのですが、もちろん判断は自己責任となります。
もし来年も脳死で長期のみに利用しようと思っている方がいるようであれば、一度NISAでどれだけ得するのか?を、しっかりと計算してみてください。
はっきりと短~中期の取引に向いていないと自己診断されている方以外は、少しだけ枠を短~中期に割くことで、一気にパフォーマンスが向上するかもしれません。
年明けまで少し時間がありますので、一度立ち止まって、自分のパフォーマンスやスタイルを再考してみるのもいいと思いますよ。
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