前回の基礎編に続き、今回は実践編となります。
まだ基礎編をご覧になっていない方は先にご一読いただいてから読み進めてくださいね(リンク貼っときます) 新提案!!移動平均線の見方~基礎編~
検証に使用する材料は…
- 2年週足チャート
- 決算予想及び進捗
の2つを使用します。
決算発表から次の決算発表までの動き、発表時の反応などをチェックしていくことになりますが、周知の通り、コロナショックという株のたたき売りが発生した年ですので、いつもと少し様相は違うと思いますが、その辺りも考慮して説明していきます。
来期目標発表~1Q決算までの動き
今回検証に使用する銘柄は“アスクル2678”です。
2020年6/30段階で3Qまで発表しているため検証しやすいと思い採用しました。
早速チャートと来期決算予想発表時の株価の位置を見てみましょう。
矢印で示したところが来期決算予想発表時の株価位置です。
続いてどの様な決算予想を出したのか見てみましょう。
ご覧の様に、とてつもない増収予想を出しています。
ではこの予想を出してから1Q発表の9/12までどのように株価が動いたのか見てみましょう。
途中、地合いなどの影響もあったと思われますがしっかりと株価を上げていますね。
このように、決算予想が良ければ良いほど、次の決算発表まで株価は上を目指す確率が高くなるわけです。
次は1Q~2Qの株価推移を検証しましょう。
1Q~2Qの株価推移
では1Qではどのような決算を発表したでしょう。
出ました、素晴らしい数字です。
しかし、通期目標が高すぎるため、少々物足りない、んっ?目標達成大丈夫か?と思ってしまう数字ですね。
ではこの発表を受けてどのように株価が動いたかチェックしましょう。
ご覧の通り、買い気が薄れ、ヨコヨコ~若干のマイナスという1Q~2Qの動きです。
いかに決算で出た数字が次の決算までの株価推移に影響が出るかお分かりいただけたと思います。
次は2Qから3Qの動きを見てみましょう。
2Q~3Qの株価推移
では2Qでの決算発表内容をチェックします。
またしても素晴らしい数字ですね。
前年の実績を見ると分かりますが、この会社は3Q~4Qで大きく稼ぐ下期偏重型です。
従って、2Qで40%近く稼げた今回の発表はポジティブな評価を受けそうです。
実際のチャートを見てみましょう。
やはりポジティブに捉えられ、200MAを一気に上抜いています。
そこからはご存じコロナショックの影響で一気に下落したわけですが、それでもしっかりと株価はコロナ前まで戻していますね。
ちなみに何故こんな強い銘柄が暫く200MAの下で株価推移していたかというと、17年をピークに2年ほど大きく業績を落としていたからです。
このような業績になればもちろん200MAを維持することはできません。
しかし、20年には再び8800百という復活予告をしたのでこの段階で200MAは奪還しそうだという予測が立ちます。
こういった銘柄を短期でも長期でも取引することが最も勝率を上げる事ができる方法だと考えます。
基礎編でもお話しした通り、200MAを起点にどちらに動きやすいか、どういった動きになるのかは、決算や材料が握っており、テクニカル分析だけしている人には理解できない動きになってしまうのです。
これを知っていれば、アスクルを来期予想を出した決算発表後に購入することもできたわけです。
もちろん100%200MAを奪還するなんて保証もないですし、結果論に過ぎないかもしれません。
しかし、それはどの銘柄にも同じことが言えるので、我々が出来る事は”上がりやすい銘柄を掴む確率を高める努力の積み重ね”でしか確度を上げることなどできないのです。
これをしっかりと身に付ければギャンブル要素はかなり薄まり、コロナショックの様な下落があっても安心して保有することが出来るようになります(まぁ、一旦売った方が無難ですが逃げ遅れたらの話ですw)
ぜひ色々な銘柄のチャートと決算間の動きを検証してみてください、とてもいい勉強や気づきになると思いますよ。
まとめ
今回は移動平均線の見方にフューチャーしたつもりでしたが、大部分は株価推移の話になってしまいました、お詫びいたします。。
テクニカル分析はあくまで会社の中身は一切無視した手法です。
しかし、このように決算などを組み合わせてみると株価推移にもしっかりとした意味があることがお分かりいただけたのではないかと思います。
“この銘柄妙に強いな~”と感じたら、決算や材料などを調べてみましょう。
きっと今まで取引していた銘柄よりもより上昇確度の高い銘柄に出会う確率が高くなるはずです。
個人投資家は時間を決めずに銘柄を保有することが出来るのが最大の強みです。
そんな有利点を最大限利用して、決算~決算の中期トレードをあなたの手法に加えてみてはいかがでしょうか?