日本の3大お得投資制度として有名なiDeCo、NISA、積み立てNISA。
投資経験のある方には問題なくすんなりと受け入れる事が出来ると思いますが、まだ投資未経験の方にとってはどれがどんな特色があって、そもそも何が違うのか分からない方も多いと思います。
そこでこの3制度がどういったものかを説明しつつ、どんな人にマッチする制度かまで解説したいと思います。
投資とは?制度の目的とは?
まず『投資』とは何でしょうか?
『仮想通貨で〇億円儲けた』←投機です
『株で1年で億り人(億を稼いだ人のこと)になった』←投機です
『FXで月100万円は稼いでる』←投機です
ほとんどの方がイメージしている投資はほとんどが投機、儲かる機会に乗って短期間で利益を稼ぐことなんです。
では投資とは本来何なのか?
個人的な答えとしては『成長する分野に長期間資産を投じ、リターンを得る事』です、つまりお金に長期間働いてもらう、という説明が一番しっくりくるかと思います。
例えばタンスに眠っている10万円は1年後も10万円です。
しかし、成長する分野、例えばITを代表する成長産業の会社などに投資すれば1年後には10万円以上、うまくいけば数倍に化けてたりします(もちろん元本割れすることもあります)
また、配当や優待などを株主に還元している会社の株を持てば、毎年何もせずともお金がもらえたり、商品が届いたりします。
眠らせているお金があるのであれば資産運用は非常に有効な副収入源として活躍してくれる可能性があるわけです。
もちろん闇雲に投資商品を購入してもダメなので、そこはある程度の知識は必要になりますが、これも初めからうまくやろうとは考えず、始めは数千円からスタートして、徐々に勉強しながら知識と技術を身に付けていけば良いのです。
また副産物として、投資について勉強すると驚くほどに社会情勢や金融についての知識が身に付きます。
自身の資産を投じるわけですから自然とそういった知識は収集するようになります。
この表は『貯金のみと配当利回り3%の株式を購入し続けた30年間の差』を表したもので、ご覧の通り貯金のみと複利を利用した投資とではこれほどの差(およそ1100万円)がつきます。
配当や複利については今回は深く説明はしませんが、始める時期が早ければ早いほど有利になり、将来豊かに生活できる可能性が高まります。
と、ここで将来の話が出たので『制度の目的』についてお話します。
iDeCo、NISA、積み立てNISAは全て政府が国民に推奨している制度で、非課税(通常は投資にて得た利益には税金がかかる)にしてでも皆さんに使って欲しいと考えているのです。
では、何故わざわざ政府は非課税にしてまで国民に投資を推奨するのでしょうか?
これには表の意図、裏の意図、諸説あるのですが、大まかにわたくしが感じていることは以下の通りです。
①:国民に投資をさせて株式市場を盛り上げたい(社会の活性化)
②:投資を通じて金融リテラシーを高め、生活保護者を減らしたい
③:将来年金が大幅に減り、年金だけでは生きていけないので自分で年金を作ってほしい
④:日本にあるおよそ40兆円以上と言われるタンス貯金を引き出したい
ざっとこんな感じだと思います。
①は日本の会社に投資をしてもらうことで会社の、ひいては社会の活性化につながることになります。
②は投資を身に付けてもらい、副産物としてお金の知識を身に付けていくことで破滅的なお金の使い方をする人を減らす目的があると考えます。
③は超高齢化社会&少子化で、数十年後に今と同水準の年金支給は確実に不可能になるため、自身で年金の足しになる資金を貯めといてねという無言のメッセージです。
④は読んで字の如く、貯金体質の日本人のお金を社会に回させるためです。
一番のメッセージはおそらく③です。
年金は減り、単純労働もAIやロボットに奪われ、高齢者が働く場所が失われる可能性を懸念してのことであり、今の内に全国民が対策を個々で立てる必要があります、その助力としてこの3制度があるのだと認識しています。
こういった裏事情もあるのだと知った上だと違和感なく制度の利用が出来ると思います。
それでは次項から個々に詳しく解説していこうと思います。
iDeCoについて
iDeCoとは毎月5000円から掛けられる個人型確定拠出年金の事です。
個人型確定拠出年金と言われてもピンと来ないかもしれませんが『個人が決まった額を毎月出して運用などをし、年金にする』という捉え方で大丈夫です。
運用など、と何故書いたかと言うと、元本確保型の商品もあるからです。
つまり、タンスに眠らせておくくらいのお金なら元本確保型の商品をiDeCoで積み立てた方が、所得控除などの恩恵(後述します)が受けられるのでお得、となります。
また年金にする、と書いた理由は『原則60歳になるまで引き出せない』からで、この原則というのがなかなか厳しくて、死亡又は障害を負った場合といった事態にならないと途中解約できません(拠出の一時停止は可能です)
その代わり、節税効果は強烈です。
例を挙げてみましょう↓
・年齢40歳、企業年金に加入していない会社員
・年収400万円
・毎月掛額2万円(年間24万円)
・配偶者あり
・子供なし
の条件でシュミレーションしてみると、所得税、住民税合わせてなんと年間36300円の節税になるとサイトでは計算されました。
お金を運用しつつ、節税効果も抜群!!
かなりの太っ腹制度なのです、これは是非利用したいですね。
しかし、多くの方が引っかかる部分はやはり『途中解約できない』ことでしょう。
そういった方はまずは5000円から始めてみましょう。
掛額は年に一度変更が出来ますので、生活に余裕が出来たら徐々に増やしていけば問題ありません。
また、運用商品に迷っても選べる商品は予め数種類に決められていて、商品の入れ替え(スイッチング)や指定商品の配分変更(リバランス)も後から行う事も可能です。
選定商品の基準などは詳しく解説している他サイトなどがあるのでそちらを参照して頂ければと思います。
というわけでこのiDeCoという制度は以下の様な方におすすめです↓
①:節税効果が相当高いので、基本的に20歳以上の方は全員利用すべき
②:元本確保型はとにかく投資の勉強はしたくない方向け
③:値上がり益も享受したい方は元本確保型以外を運用商品に指定
④:口座から毎月自動的に引き落としてくれるので、貯金が苦手な方(ただし解約できない点には注意)
今回紹介する3制度の中では最も優先して始めて欲しい制度ですね。
NISAについて
次はNISA(少額投資非課税制度)です。
こちらは年間120万円まで投資商品を購入出来、その全ての利益(売却益や配当金)が非課税になるという制度です(通常は約20%程度の税金が徴収されます)
ただし期間が設けられており、購入してから5年間のみ非課税となります。
では5年を過ぎる前に売却した方が良いのか?というとそうでもなく、ロールオーバーという制度を使えば更に5年間非課税期間を延長できます(但し、その年の120万円の枠から引かれる事になります)
また、120万円を超えていても全額ロールオーバーできます(但しその年の非課税枠は利用不可)
前述したiDeCoと大きく違う点は…
①:取扱商品がかなり幅広い
②:所得税や住民税の減税メリットはない
③:口座を開設しても利用するしないは自由
④:いつでも売却しお金を引き出せる
⑤:自動積立可能(ルールは開設した証券会社などによって異なる)
通常、株式などを購入する際は証券会社に口座を持つのですが、別でまたNISAという非課税枠を持てる、といったイメージです。
つまりiDeCoと比べると遥かに自由度が高く、入金、商品の購入、運用、売却など、全て自己責任で行う必要があります。
年間120万円と所得によってはそこまで使いきれないという方も多いと思いますが、株式を購入する額が年間通してもこの120万円以内という方であれば、全てNISAで購入することも可能です。
しかし、注意点がひとつあり、損益通算が出来ないという弱点があります。
通常、株式投資にて損失が出た場合、確定申告にて3年間損失を繰り越すことが出来るのですが、NISAではそれが出来ません。
例をあげます↓
①:1年目10万円の損失を出し、確定申告にて申告した
②:2年目10万円の利益を出し、確定申告にて申告すると、1年目の10万円の損失と相殺され、約2万円の売却時の税金が戻ってくる
これを損益通算と言いますが、NISAではそれが出来ないため、より勝率の高い、もしくは配当金狙いの投資を目指していく必要があります。
その他にも細かいルールはあるのですが、おおまかにこういった内容の制度だと考えてもらえればOKです。
ではどのような方におすすめなのかをまとめてみます↓
①:ある程度投資に慣れている方
②:配当金重視の長期投資を考えている方
③:後述する積み立てNISAでは満足できない方(個別株投資を好む方)
以上の様な方におすすめとなります。
ただし、次項のつみたてNISAと見比べてから結論を出して下さいね。
つみたてNISAについて
最後はつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)です。
通称つみにーと呼ばれています、かわいいですねw
始めにとても大切な事からお伝えします。
NISAかつみたてNISAは、どちらか一方しか利用することができません。
従って、自身に合った方をお選び頂く必要があるのでご注意下さい。
つみたてNISAは簡単に言ってしまうと、NISAを更に初心者向けに改良(?)した制度、です。
基本的にご自身で管理できる方は、一般NISA(区分けの為、NISAは以下一般NISAと呼称します)の方をおすすめします。
つみたてNISAの特徴は以下の通りです↓
①:購入できる商品は、長期積み立て、分散に適した投資信託、ETFに限定される
②:非課税枠は毎年40万円までで、最長20年800万円まで
③:あとは一般NISAとほぼ同じ
といった感じです。
あれ?800万円まで非課税なら一般NISAよりお得では?
と、一見思いますが、一般NISAには前述したロールオーバーという制度があるのでその点は問題ありません。
むしろ、取扱商品が限定されているので一般NISAよりも選択肢はグッと狭まってしまいます。
非課税枠が毎年40万円までというのもネックです。
月平均に換算すると33000円程度となるため、物足りない方も多いと思われます。
しかし、つみたてNISAで購入出来る商品は予め厳しい選定基準をクリアした商品しかないので、初心者の方が失敗しにくくなっています。
以上の事から、つみたてNISAは以下の方におすすめします↓
①:投資初心者の方
②:今後も投資の勉強はする予定がない方
③:なるべく放置しておきたい方(ロールオーバーの手間がない)
個人的には一般NISAでの開設の方がメリットが大きいと考えておりますが、上記に当てはまる方にはつみたてNISAという選択肢もアリだと思います。
まとめ
以上、3制度の紹介でしたがいかがだったでしょうか?
まとめとして個人的な意見は以下の通りです↓
①:iDeCoはメリットが凄まじいので基本的には全員におすすめ
②:初心者の方、投資を勉強する予定の無い方はiDeCoとつみたてNISAのコンボ
③:投資を既に始めている、もしくはこれから学んでいく予定のある方はiDeCoと一般NISA
④:どうしても途中で解約出来ない事が許容できない方は一般NISAのみ
⑤:絶対に元本を割りたくない方はiDeCoの元本確保型のみ
といった結論です。
これらの制度は2020年10/20現在のものであり、今後制度が改正される可能性はありますのでご了承願います。
自分自身も貯金は下手で、なかなか貯める事が出来ませんでしたが、投資というものに出会い、更にiDeCoやNISAを活用することで嘘のように資産を作れるようになりました。
初めは毎月5000円からでも全然OKです、慣れてきたり知識が身に付いてきたらゆっくりと掛額を増やしていく方がむしろ最初の失敗を最小限に抑える意味でもおすすめです。
今一度、将来の年金支給額や自身の老後生活を考えて、この3制度の活用をご検討下さい。
老後になってもフルタイムで働かないと生活できない状況には、くれぐれもならないようにしたいものですね。
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