利益剰余金に注目
PBR1倍以下、ROE7%以下の会社への投資が積極化している昨今、かなりの銘柄が既に物色されてしまったように思います。。
しかし、まだまだ諦めたくないわたくしは、ひとつ注目したい指標があります、それが『利益剰余金』。
内部留保、とも呼ばれるいわゆる貯め込んでるお金、という認識が強いものですが、注目する理由を語る前にこの利益剰余金について少し誤解を解く必要があります。。
まず利益剰余金とは文字通り生み出した利益を分配せずに貯め込んでいるお金です。。
しかし『全てが現金とは限らない』のです、以下の画像を御覧ください↓
ある会社の貸借対照表(バランスシート)です。
これを見ると利益剰余金が49438百万円あることがわかります。
では次の画像を御覧ください↓
利益剰余金が49438百万円とあるのに、現金は18199百万円しかありません。
つまり『利益剰余金は大多数が違う形に変わっている』というわけです。。
多くは土地であったり設備であったりに変わっていたりします。。
それを踏まえた上で今回は以下の条件で銘柄を探してみました↓
・PBR1倍以下
・ROE7%以下
・時価総額300億円以下
・配当利回り3.5%以上
・現金内部留保の多い銘柄
配当利回り3.5%以上という高配当に絞った理由は、PBR1倍以上にする上でこれ以上の増配に限界があるので、本格的に営業利益にテコ入れせざるを得ない可能性が高い、という理由から。。
つまり増配はこれ以上出来ないから本業頑張るわ、となる期待、つまり『株価上昇の直接的要因』となる期待が持てますね。。
株価上昇期待もあり、元から配当利回りもいいので、買うのにこれ以上の安心感はないだろう、という変化球を捨てただ真っすぐのみを待つ野球選手の気持ちw
それを実現するには利益剰余金が莫大で、かつ現金保有の多い会社をピックアップする必要があります。。
つまり今までは脳死で貯め込んでいたお金を(脳死ではないと思うがw)本業の業績向上に使ってくれる判断をする可能性が高いのではないでしょうか?
その使徒がM&Aや設備投資、新事業への投資など多岐に渡るとは思いますが、いずれにせよ株価にとっては刺激材料でしょう。。
ただ、こういったケースではどれほどの現金があれば蓄えすぎなのか?といった明確な指標はないので、ある程度感覚的なのはご了承頂きたいと思います。。
まぁ、高配当でいまだにPBRもROEも基準以下の銘柄を探す、くらい利益剰余金の部分はおまけとして読んでくれても問題ありません(本筋完全否定で悲しいですがww)
銘柄紹介
① 高周波熱錬
年間配当額は30円、配当利回りは現状で4.2%、更に1年以上保有の株主には1000円分のクオカードも貰え、これを総利回りに加算すると何と5.6%に跳ね上がる。。
決算はしばらく期待できなさそうではあるが、潤沢な現金保有、配当利回りの高さ、大底は脱した感のある売上など、会社の鼻息次第では何か一手を打ちやすい状況ではありそうですね。。
ちなみにPBRは0.45倍、ROEは2.8%です、基準値まで相当遠いのも面白いところ。。
② ニレコ
2/13に通期上方修正及び増配を発表し、年間配当は40円、配当利回りは4%となっている。
実はコロナ後、決算は順調であり、配当性向は40%以上かつDOEは2%以上を明言している、非常に還元意識の高い会社。。
現金は41億強保有しており、決算の好調がさらなる株主還元又は株価刺激材料となる現金の放出に期待できそうですね。。
PBRは0.53倍、ROEは5.3%なのでPBRをかなり意識する必要がありそうですね。。
ちなみに出来高は1900株/日しかないのでとりあえず流動性何とかしましょうかw
③ 遠藤照明
年間配当30円、利回りは3.2%。
直近、結構上がってしまっているが、まだ上値はあると考えています、その理由はこちら↓
プライム市場の上場維持の計画書から抜粋したのですが、時価総額が37億円ほど足りません。。
これを受けて会社側は25年3月末までに基準クリアを目指す旨を発表しており、対策が期待されます。。
加えてPBRは0.46倍、問題山積ですねw
現金ストックは100億円以上あるので、増配はかなりの確率で期待できそうです。。
いずれにせよあと1年しかない期限付きなので、会社側もかなり早急に対策してくると予想しています。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
時間の都合上3銘柄しか紹介できませんでしたが、こういった視点で探してみるのもたまには面白いと思いました、みなさんがどう思うかは怖いので聞きませんw
PBRを上げるには自社株買ったりなどでもいいのですが、それでは根本的な業績の改善にはならないので、ぜひとも本業の成績に期待が持てるPBRの対策を期待したいですね。
とは言えどちらにせよようやく低PBRの会社の尻に火をつけてくれたことに感謝したいです。
0.5倍とかの会社なんて乱暴な言い方すれば解散しちゃえばいいのに…とすら思ってましたからね。。
※訂正…遠藤照明ですが、今確認したところ120億円程度まで時価総額が増えており、上場維持基準をクリアしてしまっていました。。
しかし、この時価総額を維持するために、やはり何らかの手段は必要であると思われるので、引き続き注目しておきましょう。。
コメント
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