半導体とはそもそも?
世界的に車載用半導体が不足しているという情報を一度は目にしたことがあると思います。
というか、そもそも半導体って何でしょう?
世の中には、金属のように電気を通しやすい「導体」と、ゴムのようにほとんど電気を通さない「絶縁体」があります。その2つの中間的な性質を持つ物質を「半導体」と言います。「半導体」は、ある条件の時に電気を通すという性質を持っています。電気の流れやすさは、その物質の電気抵抗率によって変わります。電気抵抗率が高ければ電流は流れにくく、電気抵抗率が低ければ流れやすくなります。代表的な半導体としてシリコン(ケイ素)があります。シリコンは安価で割れにくいため、現在使用されている半導体の材料の大部分を占めています。
サムコ株式会社ホームページより
電気を通す『導体』と通さない『不導体』の中間だから『半導体』というわけですね。
ただ、ひとえに半導体といってもその種類は相当な量になるので、簡単に言ってしまうと電流の量を調整したり、ON/OFFの切り替えを行ってくれる小さな部品の事、くらいの認識でいいと思います。
古くはトランジスタラジオに始まり、最新式の家電やPCなどにも幅広く活用されている、現代人の生活になくてはならない部品です。
では、そんな半導体がなぜ不足しているのでしょうか?
簡単に言うとこれも新型コロナの副産物、です。
巣ごもり、テレワークなどの影響により、一般家庭にて使用する家電やゲーム、PCなどへの半導体需要が爆発的に増加、こちらが優先されたおかげで車載用の半導体不足が顕著になった、というわけのようです。
そして、ここからが重要なのですが、今後はEV車の普及に欠かせない車載用やカーボンニュートラル(温室効果ガスを少なくし、かつ吸収や除去によりゼロにしようという試み)のために『パワー半導体』が世界的に不足する!!と予想されています(現状でも既に不足してますが)
パワー半導体とは、電源の制御や供給を行う半導体のことを言いますが、これは総称のことで、主な種類としては『ダイオード』『トランジスタ』『IC』の3種類があります。
どれが何の役割か?までは省略しますが、この3種類に関連した銘柄は今後、根強い株価の下支えがされることが予想されます。
そして最近怪しい日経ですが、全体調整が起こった際に拾っておきたい分野の筆頭だと考えます。
おそらくすでに人気化しており、大きく株価は上がっていると思われますが、逆に日経暴落時には買われた分、大きく調整することも予想されます、そこがねらい目です!!
と、いうわけで本題ですが、そんなパワー半導体を取り扱っている銘柄をピックアップし、紹介と分析をしてみようというコーナーです、長々とごめんなさいw
ぜひ監視枠に入れていただき、安値をしっかりと拾えるように準備していただければ、と思います。
銘柄紹介
早速、関連銘柄を表にしてみましたのでまずはご覧ください↓

計7銘柄です、もちろん時価総額は300億円以下の小型株で統一してあります。
個人的に買ってもいいなぁ、と思った銘柄の左にピックアップマークを付けてありますので、順番にご紹介していきます。
テクノアルファ
パワー半導体結線装置が主体の商社。車載用強い。消耗品好採算。救命艇も展開。独自製品強化中
四季報より
時価総額が25億と、かなりの小型株だが、パワー半導体結線装置を中心に様々な半導体関連の装置や材料を提供している。
主となるセグメントであるエレクトロニクス部門の不調もあり、前期は赤字を計上したが、見込み案件の延期によるものなので、今期それが反映されれば赤字は脱却できるだろう。
チャートも週足はBOXの動きで推移しており、3/31に予定している決算次第では上下どちらかに大きく動く可能性もありそうだ。
日足を見ると200MAは固く、現状は押し目の形に見える。
四季報にも『車載用強い』と書かれているので、今回のテーマに沿っており、配当と優待合わせると総利回り3.5%と非常に高い水準だ。
財務もしっかりしており、今後特殊な状況下にならない限り、株価は上を目指すと予想、長期としても短~中期としても保有妙味はありそうだ。
タカトリ
精密切断加工機が主柱。液晶・半導体業界向け製造機器も。祖業のパンスト縫製機械は世界有数
四季報より
前回決算ではハッキリと『パワーデバイス関連市場及び5G通信の関連材料に対する販売・受注が堅調に推移いたし
ました。また、その他の材料市場への販売も伸びており、今後も受注の増加が見込める』とあり、今後も期待できそうだ。
こちらも時価総額29億円と超小型株であるが、PER15倍、PBR0.7倍と割安圏にいる。
前期は赤字だったが、今期は305百万の黒字を見込んでおり、株価もそれに呼応し、堅調な動きをしている。
5G関連、医療機器事業にも期待できるので、今期中は堅調な動きが予想される。
ただ、配当はさほど高くないので長期投資におすすめ出来るかと言われるとそうとは言えないので注意。
三社電機製作所
電源機器と半導体の生産が柱。金属表面処理用電源で国内首位。半導体はパワー系でニッチ特化
四季報より
業績下方修正を出しており400→300百万円に目標を落としているが、要因は取引先の設備投資時期の延期とあるので、来期中には計上されるだろう。
19年3月期には1804百万という素晴らしい決算を出しているので現状は4分の1にも満たない水準となってしまっているが、パワー半導体の文字がHPのトップにデカデカと載っており、EV需要が本格化する前に再度動意づく可能性は高い。
買い時だが、現状は難しいと言わざるを得ないので一旦様子見推奨だが、来期予想が出た段階で決めるのが良いだろう。
チャートも投資家の心理を表しているかのように、勢いよく900円を超えてきたところで急失速しており、現状はダブルトップをつけた状態だ。
まだまだ調整の可能性はあるのでしっかりと引き付けて具体的には日足の200MA辺りで打診買いが最も合理的だろう、監視おすすめだ。
まとめ
EV車への流れの変動は自動車業界にとってかなりの衝撃度であり、数十年に1度の変革期です。
思えばガソリン車→ハイブリッド車への移行ですらゆっくりと少しずつ変化していったのですが、EV車に関してはそもそもガソリン車を禁止する国も出てきていることから、関連企業は大慌てでシフトしていかざるを得ないでしょう。
ガソリンや軽油車の部品点数はおよそ3万点あったのに対し、EV車は1万点程度と、使われる部品が大幅に削減され、エンジン周りの部品で収益を上げていた会社からは悲鳴が聞こえてきそうです。
悲惨ですが投資家としてそういった会社には投資せず、また投資済みであれば資金を回収すべきでしょう、より盛り上がる産業に投資資金を移すことは投資家として当たり前のリスクリワードとなりますので。
そして今回紹介したパワー半導体は、現状需給が崩れており、買い手は引く手数多の状態です。
いずれ需給は正常化していくでしょうが、現状の売り手有利の状況下では投資資金を投入するには絶好の機会と言えます。
また、新規顧客との接点も増える絶好のチャンスであり、ここで営業に増勢をかけ、今後の販路拡大を目指すことで将来的な収益を見込めるのも関連会社にとっては絶好の機会です。
商売というのはどんな手を使っても一度、自社製品を使ってもらうことで一定のリピーターが望めるものです、過去の例で言うと、日本ではiphoneのシェアが世界的に見ても異常です(最近はかなり変化してきていますが)
これは、日本人の同じものを使い続けるという保守的な面も一助ではありますが、初めてのスマホとして触ったのがiphoneだったから、という理由が多いでしょう。
これがアンドロイドだったら今のiphone高シェアは間違いなくあり得ないでしょう。
つまり、パワー半導体として特需があることはもちろん、今後の業績にも大小あれど間違いなくプラスであるといえますね。
ぜひ監視枠に加えて頂き、動向を見守ってみて欲しいと思います。
コメント
[…] 第5位 半導体のおさらいと銘柄分析 […]
[…] 第5位 半導体のおさらいと銘柄分析 […]