株の参考書、記事などを読んでも、買い時についてはかなり指南されていますが“利益確定”のタイミングは軽視しているものが多いように感じます。
これが何故かと言うと答えは単純明快…
買い時の100倍難しいから
株はその性質上“どこまで下がってどこまで上がるか”分かりません。
しかし、買い時を同じような位置で狙う人がいればいるほど、下げ止まる位置と言うのはある程度の予測が立ちます。
もちろん裏切られることも多いですが、買いのポイントまで下がるとある程度の買いが入るのは事実です(その後上昇するかは人気や期待次第ですが)
しかし、売りが強くなって下落に転じるのは“その時々の雰囲気やテクニカル”によるところが多いのです、でなければPER100倍以上の銘柄がまだ上昇中なんてことは説明がつかないですよね(この世界で説明という言葉も無意味に等しいですが)
しかし、売り時をミスるとせっかく利益の乗った銘柄が再び買値まで戻ってしまう悲劇がしょっちゅう起こることになります。
株は(値上がり益狙い)利益確定してナンボです。
実は売り時は買い時と同じくらいしっかりとルールを定めておく必要のあるものだと断言します、でないと収益は一向に安定しないでしょう。
しかし、売り時というのは前述したとおり本当に難しくて、今回数パターンご紹介しますが、あくまで“天井は狙わない”スタイルであることをご理解ください。
天井で売れる事なんて、株を数十年やってて数回あるかないかの世界なので、狙う方がナンセンスですし、パフォーマンスにバラツキが生じます。
前置きが長くなってしまいましたが、今回の売り時で採用してみたいと思える案があればぜひルールに組み込んで頂きたいと思います。
〇〇円まで上がったら売り
お勧め度は★★★☆☆
文字通り、いくらまで行ったら売る、という取り決めです。
メリットとしては指値を入れっぱなしにしておける点で、非常に気が楽です。
目標株価はこれまで培われた感覚やテクニカル、勢いを総合的に判断して設定すると良いでしょう。
デメリットとしては、いくら利益が出るかが確定してしまうので、つい途中で指値を上げてしまったりなどのルール破りの誘惑に駆られるところでしょう。
また、指値ギリギリで株価が反転してしまうと指値を引き下げて利益確定を焦ってしまったりなど、意外とストレスとの闘いでもあります。
そして怖いのは、一度ルールを破ったことでたまたま上手くいってしまうと、自分のルールに懐疑的になってしまい、今後守らなくなることが懸念されます。
赤字の部分は本当に大切なポイントなのでしっかり頭に入れておいてください。
若干、作業的な取り組み方で楽しさは減りますが、ルールのひとつとしてはありでしょう。
時期を決める
お勧め度は★★★☆☆
例えば“次の決算まで”や“今週末まで”など完全に売り抜ける日をきめてしまう方式です。
メリットとしてはこちらも保有株を随時チェックする必要もなく、気が楽な点と、少々の揺さぶりに動じなくなる点です。
逆にデメリットは、運が悪いと負けが続いて心が折れてしまう可能性があること。
先ほどの手法もですが、ある程度地合いも読んで購入しないと損切りが多発することは言うまでもありません。
またこちらも勢いが良かったりした時につい売り時を延長してしまったりと、裁量が加わってしまい、結局ルール自体が破綻してしまうことも。
裁量を完全に排除したシステムトレードに近い手法になりますので、しっかりと買い時をバックテストして学んでからの手法取入れを行って欲しいです。
ローソク足で売却
お勧め度★★★★☆
今回、一番推奨したい手法がこの“ローソク足売却法”です。
まずはこちらのチャートをご覧ください↓
ある銘柄の週足チャートです(銘柄は適当に選びましたw)
この手法の売買基準はズバリ“いい足が出て悪い足が出たら売る”
メリットは大きく稼げて損切りも迷わなくて済む、非常に納得度の高いトレードが出来る事です。
逆にデメリットは100%裁量取引なため、相場の監視に時間は割かれますし、悪い足が出たら利確、なので天井から結構下で売ることになりがちです。
では、具体的に売買ポイントはどこかに☆をつけてみました↓
黄色の☆が買いポイントで、赤い☆が売りポイントです(ちょっと見にくくてすみません)
買いのポイントは2つ
- ローソク足の実体よりも長い下髭の発生(ただし移動平均線との位置関係による)
- 前週の陰線を完全否定した陽線の出現
売りのポイントは3つ
- ローソク足の実体よりも長い上髭の発生(ただし移動平均線との位置関係による)
- 前週の陽線を完全否定した陰線の出現
- 購入した週の足の安値を下回った時
ちょっと難しいかもしれませんが、最低限のルールはこれくらいで良いでしょう、もちろん独自のルールを加えるのもOKです。
前述したメリットの補足として、株は“心理戦”である側面が強いのです。
ローソク足の形を見て、買いや売りを判断される方が多い以上、下髭や上髭は最も注目される形です。
そこで購入、売却の判断をするのは非常に合理的です。
もうひとつのメリット補足“利益の天井を決めなくていい”こと。
嫌な足が出ない限り永遠に売らなくていいわけですから、利益の幅を大きく取る事が出来る上に、損切りも素早くこなせるわけです。
個人的に思う事として、様々なオシレータや指標を学ぶよりも、ローソク足をまずはしっかりと勉強し利用することが最も勝率を上げる方法だと考えています。
そしてもうひとつのポイントは“反転の分かりやすい銘柄をチェイスする”こと。
さすがにあやふやなローソク足だらけの銘柄にこの手法はまるで意味を成しませんので、監視銘柄選定の下準備は必要ですね。
しかし、この売買ポイントはあくまで一例ですので、色々な銘柄を見てバックテストを行い、買いと売りのポイントとなるローソク足を自身で編み出していった方が今後のルール遵守にとっても自信となるでしょう。
まとめ
繰り返しになりますが、株の売り時というのは非常に非常~に難しいものです。
感覚で行ってしまうと間違いなく無駄なトレード、無駄な損切りが増えます。
『この銘柄は10倍になるまで売らない』などの一蓮托生銘柄を持つのも大変面白いですが、やはり確度の高い銘柄をコツコツ取引することも忘れずに行ってください。
“株は勝っても負けてもストレス”という名言があるので(負けたら当然ストレス、勝っても天井で売れなかったり、売った後の上昇を見てストレス、という意味ですね)やはり買い時売り時のルールはストレス緩和の意味でも大変重要です。
色々な手法を学ぶのも良いですが、やはり軸をしっかりと決める意味でも”これだ!!”という手法をまずはとことん突き詰めてみてはいかがでしょうか?
それには小難しいオシレータ系指標などよりも、最もポピュラーで最も大衆の目に入るローソク足を突き詰める事は非常にオススメですよ☆