塩漬けダメ、絶対!!
数年、相場を経験すると一度は経験するであろう『塩漬け』
想定よりも下がりすぎてしまい、売るに売れなくなったポジションの事を言う用語ですが、まず大前提として塩漬けは『絶対に認めてはいけない失敗』だと頭のど真ん中にインプットしてください。
塩漬けデメリットの最たるものは『資金拘束』です。
自分への戒めとしてあえてポジションを残す、という方もおられるかもしれませんが、資金拘束とはイコール『機会損失』でもあります。
損切りした資金を回して別の銘柄で稼げたはずの収益を逸してしまうのです、これは非常に勿体ない。。
そんな塩漬けですが、今回そのメカニズムと回避方法をご紹介し、1人でも多くの方の塩漬け確率を少なく出来れば…と考えています、是非最後までお読みいただければ幸いです。
塩漬けケース①
まずは一番多いであろう『損切の遅れ』です。

上図の部分でエントリーしたとして、順調に利益を重ねて行けたところで大きく下に振れてしまっています。
想像してみてください…。
何のルールもない取引手法を取っている場合、損切りなんて手段とれそうですか?
おそらく8割以上の方が無理だと思います、そしてこの図を見て『いや、損切れるよ』と思ってる方も、実際の現場に遭遇したら、想像通りの動きは取れないと思います、それだけ人は損切りに対して体が硬直してしまいます。
この行動心理を”プロスペクト理論”と言います、一度は聞いたことあるかもしれませんね。
人は手に入れること(利得)より、失う(損失)ことを過大に評価しがちで、そのため最適解を求めるよりも、損失を回避するための行動をとりやすい。
1分で用語解説:プロスペクト理論より
ここで言う損失とは『損を確定させる行為』であり、含み損が膨らむことは該当しません、この時に作用している心理が”損失回避バイアス”です。。
『少し我慢すれば戻る』
『最悪、塩漬けになってもなかったことにしよう』
心の中は自分を納得させるための都合のいい理論が覆いつくし、臭いものにフタをしようと必死です。
こうなってしまうとプロスペクト理論と損失回避バイアスの翼君、岬君コンビに自陣は簡単に突破され塩漬けゴールを決められてしまいます。
このコンビは様々なシーンで登場し、あなたの相場での活躍を邪魔してきます。
『短期のつもりで保有したのに、いきなり含み損になったので心の中で中期~長期に都合よく切り替え、自我を納得させる』
『地合いなど、責任転嫁して自分は悪くないと言い聞かせる』
全ては自分との戦いです、株式市場で生き残りたいのであれば紛れもなく敵はあなた自身です、あなた自身だけだと断定してしまっても構いません。。
短期売買で生計を立てている人は、この部分が並外れて優れている人がほとんどです、それ故のストレスは莫大だとは思いますが。。
ではこのパターンの塩漬けを回避する方法は?と聞かれると、言うは易しではありますが…
『損切&利益確定ポイントを購入時にパパっと注文してしまう』
もうこれしかありません、いやこれですら完璧な回避方法ではないです、勝手に指値をズラしてしまう可能性もあるからです。。
そして初めのうちは、利益確定のポイントも順調に株価が上がったのであれば、購入価格に逆指値などを置いて、最低でも手数料分のマイナスくらいで収まる方法を取ることをおすすめします。
初めの内は”毎回勝とうと思わないでください”5回に1回勝てれば花丸100点満点です、残りの4回は何とか同値撤退出来るように努力しましょう。
今後も相場で稼ぎたい方にとっては嫌でも遭遇しうる状況なので、常に意識して回避したいところですね。
塩漬けケース②
続いてのケースも厄介です、ある意味最も尾を引くパターンかもしれません。。
そして、今その病気にかかっている方も多いと思われます。
それは…
『本来ならば塩漬けコースのはずが、ラッキーのお陰で助かってしまった』
今はコロナ前に購入した銘柄も、かなりの数がコロナ前以上の株価まで回復している状態です。
もちろんコロナのような伝染病の類は過去の経験から株価は回復する可能性は高く、それを理解して保有を維持したのであれば問題はありません。
しかし、そうではなく、あまりの急速な下落でケース①のような心理で保有を続けてしまったのであれば問題です。
今回、株価が回復し、塩漬けを免れたことによって『我慢すれば株価は回復するんだ』という誤った知識と経験を身に着けてしまったことが厄介です。
こうなってしまうと次回以降、塩漬け株をいくつも製造してしまう土台が出来上がってしまったと言っても過言ではありません。
ゲームやスポーツであれば再チャレンジすれば何度も負けるだけなので問題ないのですが、塩漬けというのはお金がかかわる問題です。
負けに不思議の負けなし、と言いますので、負けた時こそ、失敗した時こそキッチリと敗因を分析し、次に活かさなければなりません。。
こちらのケースの回避法は、やはりケース①と同じ回避法をしっかりと決めてやること、もし既に塩漬け株があり、この事に気づいたのであれば直ちに損切りし、ルール作りを再構築することです。
厳しい言い方になりますが、世界中のメジャーリーガーが集まる相場の世界において、昨日今日参加した人間が実力で勝ち続けることなどほぼありません。
勝った時はラッキーという意識を持ち、経験と知識を身に着けるまでは負けないための防御力を身に着ける事が最重要だと認識した方が良いです。
その中でこういった『負けるべき時に勝ってしまった』時に勘違いしないように、常に冷静に自分を俯瞰で見れる目を養っておきたいですね。
塩漬けケース③
最後は少し特殊なケースですが、長期投資家の方にとっては十分あり得る話なのでお話させてください。
長期投資家のメインは『配当金(インカムゲイン)』だと思います。
では、この配当金が減配または無配になってしまった場合です。
読んで字の如くなので結論を言ってしまうと…
『あなたの会社への信頼や期待が損なわれていないのであれば保有継続』
減配した原因を分析し、今後の成長性に懐疑的になるようであれば、必ず損切りしてください。
逆に一時的であったり、ほかの部分での期待があるのであれば(とんでもない千里眼を持っている方に限るW)鼻で笑って暖かく見守りましょう。
ただし、長期投資においてもほったらかしはNGで、時代の流れをしっかりと読んで、場合によっては銘柄の入れ替えは行う必要があります、これも怠ると塩漬け株の第一歩、浅漬け株となってしまいます。
簡単に言うと買った時の読みが外れ、斜陽産業になってしまいそうな時代の流れであれば浅漬けになる前に迅速に銘柄を入れ替えるのです。
長期投資とはいえ、最大限のパフォーマンスを発揮したければ銘柄のチェックは毎週行うようにしてくださいね。
あとがき
塩漬けは誰にでも可能性があり、また、必ず通る道です、実際わたくしも何度も経験しました。
そして、持っておけば助かったどころか大幅に勝てた銘柄もあります(キャリアリンクなど)
ですが、経験則から言わせていただくと銘柄選びの眼が養われていない状況で購入した銘柄は多くが塩漬けから脱出できる銘柄は少ないでしょう。
また、ファンダメンタルを極めても実際に相場に身を置いて経験した直感みたいなものもオカルトチックにはなってしまいますが重要です、これはどの世界でもあるとは思いますが。。
前述したとおり、初めから何もかもうまくいく可能性は低く、仮にうまくいっている状況が続いている時こそ懐疑的であるべきです。
長年相場を見続けて、本当にうまいなぁ…と感心させられる方の多くは『緩急がはっきりしている』人が多いです。
買うとき買わないとき、損切るとき切らないとき、メリハリがしっかりしており、無駄な取引はしません。
これも塩漬けを回避する手段の一つであり、初心者が発症する『ポジポジ病』を克服した姿とも言えます。
塩漬け株をいくつか保有している方、試しに今すぐ全部売っちゃってください!!
するとあら不思議、今まで散々悩んだり固執していたことが嘘のように体が軽くなります。
それでも欲しければまた買えばいいのです、一旦売ってリスタート、この考え方は未来永劫かなり使えるシーンが多いです。
銘柄に惚れたりもするとは思います、人間だもの。。
しかしそれは一方的な片思い、マイナスを生み出し続けるその銘柄よりも売った後に戻ってくる札束の方が多分愛せると思いますw
何度も言いますが欲しければもう一度買えばいいだけです、その考え方こそが最も塩漬けを防ぐための秘訣かもしれませんね。。
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