① 各指標
PERは55.02倍、PBRは5.24倍と、かなりの割高。
ROE予想は12.7%と高い。
自己資本比率83.2%で問題なし、流動比率(流動資産/流動負債×100)も全く問題なし。
配当は今のところ無配が続いている。
2019年2月に上場した会社ではあるが、未だ55倍のPERであることからどういった期待を持たれているのか調べてみようと思う。
とりあえず指標上で購入する動機はないだろう。
② 四季報評価
四季報は『費用増』で当企業を評している。
会社名で容易に想像がついたが、スマホのPOSレジアプリを商材としているようだ。
その他にもIT人材派遣事業も開始しているようだ。
POSレジアプリかぁ~~、1店舗辺りの平均単価はいかほどなのだろうか?
正直、この商材に過度な期待は持てないという先入観が頭をもたげているが、果たして。。
③ 業績推移
本日発表の22年4月期の決算結果を貼っておこう↓
全ての面で予定よりも上回った結果だ。
過去5年間は売上高右肩上がり、利益も22年4月期は広告費などで経費が嵩んだため、前年比で落ち込んだが、十分健闘していると言っていいだろう。。
来期以降の予想は大いに興味がある、次項で確認していこう。
④ 直近決算
今期の会社予想は未定としており、コンセンサスは前年比微増の609百万円を予想している。
残念、これではPER50倍超えの銘柄は決算後下落は避けられない。。
他に何かよほど良いニュースなどを同時発表しない限り、数日は大幅下落が続く可能性がある。
先にお伝えしておくと決算発表と同時に『自社株買い』と『長期ビジョン・中期経営計画の更新』を発表しており、そちらは次項にて確認していこうと思う。
⑤ 各セグメントの業績
セグメントは『クラウドサービス事業』単一のようだ。
販売高前年同期比の表があるので確認してみよう↓
何だ!
凄まじい伸びを示しているではないか。。
全体で30%弱の伸び、これは相当頑張っている。。
導入店舗一覧をチェックしたところ、東京ドームやパルコ、カプリチョーザなど有名店の名前が確認できた。
ストックビジネスとして今後も大爆発はないだろうが、緩やかに業績は伸びていくと考えられる。
しかし、投資家としてはPER50倍以上である現状、一体どこが適正価格なのか?が最も気になる部分だろう。
その点はまた後から考察するとして、先に同時発表された自社株買いの内容をチェックしよう↓
割合2%程度の買付予定のようだが、正直これはあまり株価に影響がないと考えられる。。
タイミングとしても微妙だ。
通期予想を未定にしてしまっている以上、売りは加速する可能性の方が高いので、出来れば通期予想を発表するタイミングで同時発表が良かったのではないかと思われる。。
トレーダーでもあるまいし、そこまで考えてはいないだろうが、既存株主の事を本当に想うのであればタイミングも計ってほしかったところだ。
それでは楽しみにしていた長期ビジョン・中期経営計画書の中身を拝見しよう。
まずはこちらの図を見てもらおう↓
アクティブ店舗数を10年で10倍に拡大する目標を立てている。
えっ?10倍?
売上高40億→400億円になる、ということか、これは凄い(もちろん単価やサービス内容によりそう単純な話ではないが)
続いてはこちら↓
なるほど、3年間は投資期間と捉えて減益覚悟の構えのようだ。
ちなみに図にある『ARR』とはAnnual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得られる売り上げのことを指す。
こちらのストック収入は向上させつつ、それを上回る事業投資を計画している、ということだろう。
ちなみに、だが、仮に売上高10倍を達成したと過程した際の現株価でのPERを計算してみた。。
間違ってなければPERは3.2倍となる、本当に単純計算なので正確性には一切責任は持てないが。。
なるほど…これはPER50倍の現状では上がり目がないが、下げ止まった時に購入し、寝かせておくのはいいかもしれない、とも言えない。。
まず、現状で無配であること。。
おそらく投資優先ということは、配当は良くて微々たる額しか出さないだろう。。
そして31年という、あまりにも先過ぎる話であること。。
更に向こう3年は減益覚悟であると明言していること。。
もちろん、どこかは不明だが確実に下げ止まる時は来るだろう。。
しかし、既存株主はソコからの反騰にやれやれ売りを浴びせる可能性が高い。。
少なくともわたくしはそこまで待っていられない、ましてや目標達成まで不確定要素が多い。。
せめて25年辺りまでの明確な数字が欲しかった、そしてそこからの展望も。。
処分売りがしばらくは続くと見る、まずは下げ止まり、ダブルボトムを付けるまでは一切の手出しは無用と見る。。
⑥ 週足チャート
罪深く、闇も深いチャートである。。
信用買いも溜まっている、一見すると反騰開始に見えなくもないチャートだが、ちょっと待ってほしい。。
21年9月頃に4000円をつけ、そこから購入した者はほぼ全員含み損状態である。。
株価が下がるには簡単な話だが『売り買いが成立する必要』がある、つまりわずか9ヶ月の間に3000円もの下落を引き受けた者たちがいるのである。。
これは相当な売り圧力となろう…これを買い推奨!などとは口が裂けても言えない。。
そして購入する方は『いくらまで上がる算段』であったのかも伺いたいところだ。。
わたくしであればチャートで判断して購入するが、価格で言ってしまうと『500円なら面白そう』くらいのノリである。。
もちろん需給、期待値、地合い、会社の追加情報などによって大きく展開は変わるが、ここは素直に監視に徹しよう。。
むしろこういった銘柄がその後、どういった動きになるか?は、後学のためにも大変良いので、スマホに登録してたまにチェックしてみるといい、初心者さんには特に推奨したい勉強材料だ。
⑦ まとめ
おすすめ度は『期待値は確かにあるが、買うのは需給が落ち着いてから』とします。
昔ならこういうチャートは面白がって買ってました、9割は損切り結果になりましたけどw
PER50倍越えをひっくり返すような要素としては薄く、ここから2000円をまずは目指す、とは思えません。
しかし業績期待の買いは着実に入り、売り玉をうまく消化する日々が続けば、どこかで反騰は期待できます。
どこか気になる銘柄スマレジ…その名、覚えておこうではないかw
※紹介したデータは2022年6/15現在のものです
※SBI証券様のデータを抜粋させていただきました。