短・中・長期別、銘柄の選び方

初心者向け

時間軸毎に扱う銘柄はガラッと変わる

株式投資に携わる上で、まず初めに設定すべき事項は『時間軸の設定』です。

インカムゲイン(配当)狙いの場合は基本的に長期投資になりますが、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う場合には購入した銘柄をどのタイミングで手放すかは重要な問題であり、時間軸によって選別する銘柄は大きく異なります。

今回はそんな時間軸毎にどういった銘柄をどのようなタイミングで購入すべきか?を少しお話したいと思います。

時間軸を決めるにあたり、その前に確認しておいて頂きたいことは『いつまでにどれだけ利益を得たいか?』です。

例えば借金を返済するために株式投資で稼ぎたい、などという事情があるのであれば、長期投資は不向きです。

まずはその辺りをご自身で確認して頂いてから読み進めて頂きたいと思います。

短期売買のポイントまとめ

まずは『短期売買』から参りましょう。

短期売買とは言っても幅は広く、数分から数時間単位で取引を繰り返す『スキャルピング』

数時間から数日で売買を行う『デイトレード』があります。

株式投資において、時間軸が短ければ短いほど難易度が増します。

具体的な方法などは今回の趣旨ではないので割愛しますが、短期売買はその難易度と拘束時間を加味すると『ひとつの仕事として取り組む意気込み』が無ければ手を出すべきではないと考えます。

短期売買は基本的にはギャンブルです。

他にギャンブルと言えば代表的なものにパチンコや競馬などがありますね。

しかしこれらのギャンブルと短期売買が大きく異なることは『楽しくはない』というところ。。

パチンコは基本的に遊技台と称されるように、遊び楽しむ事がメインです。

その結果勝ったらラッキー♪

しかし短期売買はそういった側面は一切ありません。

買った値から上がるか下がるか…そこに派手な演出や確変、手に汗握るゴール前の死闘、などはありません。

短期売買で稼ぐ予定であれば楽しむことは一切捨ててください、機械的に売買するのみです。

そんな短期売買ですが、狙う銘柄を探す際に注目する点は『チャート』と『出来高』のみです。

いい会社であるとか、知名度が高いであるなどは一切考慮に入れる必要はありません。

チャートは基本的に画像の様に『右肩上がりの銘柄』から選びましょう↓

また時間軸によって『日足』や『分足』などを使い分ける必要があります。

基本的には順張り(トレンドに従う)を狙うことになります。

移動平均線に沿って尺取り虫のように動いている銘柄がベストですね。

もちろん予想に反した動きをした場合、すぐに損切りする覚悟も併せて持ってください。

一縷の期待でプラテンを待っても損が拡大し、せっかくコツコツ積み上げた利益が一発で吹き飛ぶことになります、これが有名なコツコツドカンです。

分かっていてもなかなか出来ない作業であり、この辺が短期売買は機械的に行わなければならないと言われる所以でもあります。

中期売買のポイントまとめ

次は中期売買についてです。

中期に関しても売買と呼ばせていただきます、売買期間が区切られている限り投機であり、投資とは呼び難いので。。

時間軸は主に1週間~数か月、長いと1年程度とお考え下さい。

数日から10日前後の取引をスイングトレードと言います。

基本的に短期や中期売買が生まれたのはネット証券の台頭が起源となります。

手数料が安く、気軽に売買出来るようになるまではこういった手法はあまり聞くことはありませんでした。

短期や中期は手数料も地味に影響します、従って割り切って短、中期売買は信用買いを利用した方が安く済むケースもあります。

ただし、中期売買ともなると金利負けする可能性もあるので、お使いの証券会社の手数料一覧などをしっかりと確認しましょう。

さて、銘柄選びにおいて中期売買は短期とは異なる点が多々あります、厳密に言うと短期+αの考察が必要になります。

基本的にはやはりチャートはしっかりと確認しましょう、出来高は短期よりも気にする必要はありません。

チャートに加えて必要な事は『材料』です。

例えば今でいう半導体、脱炭素、アフターコロナ、などが挙げられますね。

中には遠い将来にわたって会社の利益に寄与する材料もありますが、その辺りもよく精査する必要があります。

また『市場規模』の拡大具合も重要な要素です。

市場規模が大きく成長する予想であればあるほど、長期資金も流入し、株価が上がりやすくなります。

この辺りのしっかりとした調査や勉強は必要になりますが、いざ購入してしまえば後は基本的に放置できますので、短期売買よりも私生活に影響は薄いです。

社会やニュースをより深く知るキッカケにもなるので、自身の知識向上という副産物も得られます、個人的にキャピタルゲインを狙うのであればこちらを強くお勧め致します。

ただし、本物と偽物の差は材料の熱が冷めてくればクッキリと分かれるので、目利きは必要になります、これはもうやりながら習得していく方が断然成長速度は速いでしょう。

中期で勝つコツは『イチ早く材料を見つけること』と『過熱感が最高潮の時に売り抜けること』です、銘柄に惚れるとついつい売りそびれてしまいがちですが、そこはやはり機械的に売却してしまいましょう。

長期投資のポイント

最後は長期投資のポイントとなります。

こちらは多いので項目毎にお話ししていきます。

<<iDeCo>>

個別株投資よりも優先して選択しておきたい制度があります、そう『iDeCo』です。

詳細説明は割愛しますが、まずはこちらの制度をご自身が掛けられる限界の金額まで掛けましょう(多くの方は年額27.6万円が限度額となるでしょう)

個別株などで長期投資をお考えの方でも、まずはこのiDeCoに優先して資金を割いて下さい、それほどに強力な税制優遇が施された制度です。

少し脱線しますが、iDeCoの何をどれだけ購入指示すれば良いか?が大きな壁となる事でしょう。。

これには様々な意見がありますので、一概に答えは出せません。。

何故、様々な意見が出るかと言うと2点です。

『リスクの許容度に個人差があるから』『指定したファンドが信頼できるかは未知数だから』です。

リスク許容度が広い(リスクを取っても利益重視で行きたい)方もいれば、元本は絶対に割りたくないので税制優遇だけ受けたい、という方もいらっしゃいます。

また、リスク許容度の広さも千差万別で、その幅によってまた比率が変わります。

それでもどうすればいいか分からない!!と言う方は、とりあえずオルカン(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))を100%にしておいて、徐々に知識を付けて変更していけば良いのではないでしょうか?

それほど『今すぐに始めた方がいい制度』なのです、とりあえず見切り発車で始めちゃいましょう★

そして『指定したファンドが信頼できるかは未知数だから』についてですが、iDeCoという数十年かけて資金を投じるにあたり、数年後数十年後に現在と同じ評価であると断定できないからです。

これは個別株に関しても言える事ですので、長期投資と言えどほったらかせると思ったら大間違いなのですね。

この前提を踏まえた上で個別株投資への資金を決定してください。

<<基本はインカムゲイン狙い>>

長期投資用銘柄のポイントですが実際、かなり多く、考え出したらキリがありません。。

近い未来は何となく見えるけど、何十年も共にする銘柄がどう成長、又は退化していくかなど未知数です。

基本的には『インカムゲイン(配当金)』狙いとなるのですが、この配当金も会社の意向により、増減します。

しかし、基本的には『会社が成長すれば配当金も増額される可能性が高い』となるので、今現在の配当金の大小よりも、成長性を加味して銘柄選びをしていく方が、株価の値上がりも狙えるので一挙両得、とわたくしは考えます。

『えっ、でも売らないんでしょ?』と思うでしょうが、保有株が増えれば増えるほど、時に株価が大きく跳ね上がる銘柄が現れる事があります。

極端な例で説明します。

10万円で購入した銘柄が特大材料を出して100万円(10倍)になったとします、購入時の配当利回りは3%の年額3000円とします。

今、売却すれば90万円、税引き後72万円の利益となります、NISA枠で購入していれば90万円まるまる利益です。

ではこの72万円を配当金で受け取るには何年かかるでしょうか?

増配はなく、利回り3%が続くと仮定すると何と240年かかります、税金は考慮してませんので実際はもっとかかるでしょう。

それならば売って新しい銘柄を探す方が明らかにお得です、こういう部分は柔軟に対応した方が資産の加速度は上がる事でしょう。

<<銘柄分散>>

長期投資は原則として『銘柄分散』を心掛ける必要があります。

1銘柄にかなりの割合の資金を割いてしまうと、その会社や環境が悪化してしまうと大きく資産が目減りします。

基本的には100株ずつ購入していくことが好ましいでしょう、優待関連の権利も100株で獲得できるものが多く、トータルの利回りは100株ずつ購入の方が向上します。

また、PF(ポートフォリオ)も出来るだけ業種をバラけさせた方が安定感は増しますが、ここは無理に行う必要はなく、純粋に成長性を買って銘柄選定をしていった方が良い場合が多いです。

様々な業種を購入するという事は、それだけその業種に精通する必要があり、なかなか骨の折れる作業です。

もし、分散するのであれば『成長力を評価する銘柄』と『安定感を評価する銘柄』を各個人の比率で分散する事をおすすめします。

<<参考指標>>

購入にあたり、参考にする指標を紹介していきます。

まずは最も有名な『PER』です。

こちらに関しては業種ごとにバラツキがあるので一概には言えませんが、同業他社と比較して割安である銘柄をまずはチョイスしてください。

その中から成長力のありそうな会社を探す作業をします、数十年後に現状よりも確実に業績が伸びている銘柄を探しましょう。

具体的には取り扱い商材、業績推移、IRなどをチェックしての会社の方針、などです。

始めからうまくは行きませんが、トライ&エラーを繰り返すと徐々に銘柄選定眼が養われていきます、少しずつ上達していきましょう。

『配当利回り』2.5%以上を目安に探すと良いでしょう。

『財務』もチェックしてください。

こちらも業種によりますが自己資本比率50%以上有利子負債は少なければ少ないほど良いです。

ただし有利子負債に関しては、会社の成長にとって致し方ない部分も多々あるので、極端に多くなければ問題ないでしょう。

<<銘柄選びの決定打>>

ここからはわたくしオリジナルになるのですが、普段のニュースや情報などから『どんな未来になるか』を想像し、その時に何が必要か?何に需要が傾き、何が淘汰されるか?を連想ゲームのように思想します。

スマホの誕生により様々な商材が変化を迎えたなど、必要とされる物は刻一刻と変化していきます。

今売れているから関連銘柄を追うのではなく、未来を想定し必要とされる物の関連銘柄を探してください。

当然、見通す力などなかなか身に付くものではありませんので、自己判断で十分です。

配当をもらいながら、会社の成長を見守り、自分の思い描いた成長軌道を辿ってくれれば、これほど楽しいことはないでしょう♪

長期投資と言えどこうした楽しみを見出しながら続ける事で入金のモチベーションも保てますし、結果的に脳死で高配当銘柄を買い漁るよりもパフォーマンスはグッと向上すると考えます。

自身が得意とする分野だけでも結構です、数十年後その分野はどうなっているか?こういったイマジネーションを膨らませる作業をクセにしていけば、大きく成長する銘柄を掴むことはけして難しくないと思います。

<<売却判断>>

長期投資と言えど、時には売却せざるを得ないことも起こりえます。

最も売却理由として守って頂きたいことは『購入時の前提条件が崩れた』ことです。

例えば『配当を絞る方針を出した』『当初期待した商材に会社が見切りをつけた』『財務が急激に悪化した』など。

購入する際は必ず『購入理由』をしっかりと書き残して下さい。

銘柄が多くなってくると管理が難しくなりますので、自身が管理できる銘柄数にとどめておくことも重要になってきます。

資金が余っても無理に購入せず、全体調整などで保有銘柄が大幅にディスカウントされた際に追加購入するための資金として残しておきましょう。

あとがき

いかがでしたでしょうか?

特別難しいことは書いていないつもりです、実際個別株投資(投機)というのはポイントさえ押さえればあとはパターンを延々と繰り返す作業となります。

全てを説明できたとは思っていません、今後もtwitterなどで色々呟くと思いますので、興味がおありであればわたくしのtwitterをフォローしてくださると幸いです。

こうして書いてみるとやはり長期投資のみ、全く別のジャンルである事がよくわかりますね。

もちろん、どれが良い悪いという話ではなく、個人個人の性格や目的に合わせて決定して頂ければよいと思います。

あまりやってほしくないのは『自己都合による時間軸の変更』です。

短期のつもりだったけど、大きくマイナスしてるから長期で持って同値まで来たら決済しよう…などと短期→長期、長期→短期に変更してしまうと基本的にいい事はありません。。

また、一度ルールを破ってしまうと、もはや全決壊です、今後もルールを守れない可能性が高いので、仕切り直しが必要となります。

それから当たり前ですが、今回紹介したものは全て手法の一部にすぎません。

相場で戦っている100人が100人、違う手法を採用しており、どれが正しいと断ずることは出来ません。。

しかし、稼いでいる方々に共通して言えることは『運に頼らない』ことでしょう(これはすごく大事なことです)

不確定要素だらけの相場において、可能な限りの不確定要素の除去こそ、稼ぐために近道、と言えるのかもしれません。。

運や神頼みに頼らずに安定した収益を得られるようになれば、あとは資金量の問題だけですので、FIREや億万長者も夢ではありません。

長くなりましたが最後に皆様に行っていただきたい準備をまとめましたので、そちらをご覧いただいて締めとさせていただきます。

相場に臨む前後の準備まとめ
① 自身の性格を把握し、適切な時間軸を決める
② 相場に臨む理由を明確にする
③ 投機であれば資金と収益目標額、投資であればゴールまでの年月と着地点、そこから毎月の投資額を割り出す
④ 初めは資金を抑えつつ慣れることを重視し、やりながら勉強し、上達を目指す

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