会社が算出した予想利益を引き上げ、修正する『上方修正』
この上方修正をいち早く発見して先回り買いをしてみたい、と思う方も多いのではないでしょうか?
今回はわたくしがまとめている第1回おすすめ決算銘柄の中から、上方修正を出してきそうな銘柄がないか、検証してみたいと思います。
上方修正を探すコツ
会社は様々な条件下の元、通期予想を出します。
ハッキリ言ってどれほど社歴を重ねても1年後の利益がいくらになるかなど、神様でも無い限り知る由もありません。
そこで会社は様々な要因を分析、予想して通期予想を算出するわけですが、まずここに会社のクセが現れます。
①:予想を低めに出して後で上方修正を出せば良いと考える
②:受注残や世界情勢などを鑑みてやれる範囲で予想して出す
③:高めに出してそれに向けて努力する、下方修正もいとわない
この辺りのクセは会社の過去のIRを見ればある程度予想できます(毎度上方修正出してるな、とか)
まずはこれをチェックしていきましょう。
次に、当たり前ですが『次決算が2or3Q』であること。
次決算が1Qの場合、いきなり通期予想の修正を出すことはよほどの想定外が無い限り普通はないでしょう。
また次決算が4Qの場合は決算時に『業績予想と実績との差異のお知らせ』という感じで同時に報告することが多かったりします(予想を下回った下方修正の場合が多いですが…)
4Q手前で出すことも実は結構ありますが、殆ど織り込まれていたり、むしろ来期予想の方が株価に与える影響は大きいので、インパクトはあまりありません(むしろ出尽くしで下がる可能性もある)
以上のことから上方修正を探す際は以下の様に絞ってみましょう↓
①:業績修正をどのように出しているか過去のIRをチェックする
②:次決算が2or3Qであること(ただし2Qはまだ先が長いのであまり出さないので3Qが本命)
次項では、わたくしがまとめているおすすめ決算銘柄の中から上方修正を出す可能性がある会社を探ってみましょう。
上方修正の可能性のある銘柄を探す
まずは2020年7.8月の決算集中期に抽出したわたくしのおすすめ決算銘柄の表をご覧ください↓
この中から『次決算が2Qor3Q』である銘柄は20銘柄でした。
次項で各銘柄の上方修正の可能性を探ってみました。
個別分析から上方修正の可能性を探る
・フェイス(4295)・・・業績予想を頻繁に出しており、かつ、時期もバラバラなので読めないが、株価が高すぎるので上方修正を狙う旨味は低め。
・ビジネスエンジニアリング(4828)・・・こちらも上方修正を結構だしており、四季報も会社予想は保守的であると読んでいるが、こちらも株価位置が高いので触らない方が無難か。
・妙徳(6265)・・・過去、上方修正をほとんど出しておらず、期待薄。
・セントケアHD(2374)・・・同上
・SEMITEC(6626)・・・過去、上方&下方修正を頻繁に出しているが、今期は目標がそこそこ高いので今回は見送って出すとすれば3Qor4Q発表前と予想。
・ヴィンクス(3784)・・・頻繁ではないが何度か修正しており、かつ次決算前に出す可能性は結構あるが、4Q直前である可能性が本命と見る(このご時世、会社側も業績修正は慎重だと思われるため)
・日本トリム(6788)・・・殆どが本決算時に予想と実績値との差異として発表しているため期待度はほぼない。
・ジェイリース(7187)・・・下方、上方含め修正提出は多いが、通期目標が高いので出るとしても下方修正の可能性の方が高そう。。
・富士ピー・エス (1848)・・・修正を提出する機会は少なかったが、業績期待は高いので3or4Q前に今回は出してくるかもしれない。
・GSIクレオス (8101)・・・過去5年で上方修正を2度出しているが、株価&通期予想共に高く、狙うのは現実的ではない。
・日本電子材料 (6855)・・・こちらも同じく、過去に何度か出してはいるが株価が高すぎるので手はだしずらい。
・セグエグループ (3968)・・・2017年に一度上方修正を出しているが、こちらも株価が高すぎるので万が一上方出しても調整に突入する可能性があり、手出しできない。
・日本商業開発 (3252)・・・ほぼ年に1度以上は修正を出してはいるが、ここは業績予想がかなり読みにくいので個人的にはスルーしたい。
・ヤシマキザイ (7677)・・・下方修正を何度か出しているが、室内用抗ウイルスコーティング剤というコロナ対策の商品を販売しており、爆売れなら上方もあるかもしれない。
・セレス (3696)・・・年に複数回の修正を出しているようで、今回も修正はおそらく出してくるが、株価が織り込んでしまっていないか不安は強い(決算発表から一時は2倍まで上がっているため)
・秋川牧園 (1380)・・・数年に1度出しているようなのではあるが、今回はどうか?と言われると、巣籠り特需での好決算だったので、通期寄与は微妙とみる。よって可能性は低いと予想。
・中京医薬品 (4558)・・・年に複数回、10月と4月に出す傾向が強いようだ。株価は調整終了の位置なので上方修正を狙う価値は高いが、PERが64倍で信用も溜まっているので、市場がどう捉えるかは不明だ。。
・内外テック (3374)・・・過去5年間で上方と下方修正を出す確率はほぼ半々といったところで読めない。半導体関連は市況の影響が強いので手をだしずらい。
・名糖産業 (2207)・・・過去2年は5月に出しているので今回出す可能性はほぼないか。巣篭もり特需なので慎重になることも加味すると出すなら同じく5月ではないかな?
・アサヒペン (4623)・・・今年の7月に出したばかりだが、再度修正も十分あり得る。株価位置も高くないので今回1番おすすめかもしれない。
最後に
以上のような分析ですが、今回はコロナの影響が冬以降どのように出るかを各社慎重に見極める必要があると思うので、大胆に早計な上方修正は出しずらいと考えます。
また、上方修正が濃厚な銘柄はそれすらも織り込んでおり、手が出ない位置まで株価が上がっているので、狙うのは『上方修正後の調整からの再上昇』でしょう。
結論としては上方修正かつ株価の上昇が見込める銘柄はヴィンクス、中京医薬品、アサヒペン辺りではないかと思われるが、どれも確証はなく、中京医薬品は不安材料もかなりあるので超自己責任の元ご判断くださいw
このように上方修正を探す時は過去のIR提出をチェックし、現在の株価位置と業績の確認をしておかないと逆に火傷を負います。
個人的には上方修正単体を狙うのではなく『好決算発表時に上方修正まで織り込んだ株価まで上がるのを予想する』ことが最も現実的だと考えます。
しかし、気になっている銘柄の過去IRをチェックするという副産物はかなり得る物があるので、こちらだけでもやって損はないですよ。
上方修正を狙って利益を出すのはかなり難易度が高いので逆に考えて、下方修正を回避するという意味で修正を出すか否かの分析特訓を積むのは、長い投資生活の上で有効に働くかもしれませんね。
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