PER100倍以上の銘柄の謎に迫る

雑記

PERは会社への期待度

株価の割安度を測る最もメジャーな指標がPERですが、市場にはこのPERが100倍を超えている銘柄も多く存在します。

なぜこんな事が起こり得るのか、今回はそんな疑問を検証したいと思います。

そもそもPERの計算式は…

PER=株価/1株あたりの純利益(EPS)

で求める事が出来ます。

つまり純利益が増えたり発行株式数が減ったりすれば、PERは改善されていきます。

細かい説明は省きますが、このPERが常に高い数字で維持している銘柄は、それだけ将来的に期待度の高い銘柄である可能性が高いわけです。

余談ですがこういった高PER銘柄は、どんなに好成績でも決算時に高確率で大きく株価が調整しやすいです。

ホルダーが一旦夢から現実に引き戻されたり、その原理を知っている大口が売り崩していたり、要因は様々だとは思いますが、こういった銘柄の決算ギャンブルは絶対におすすめしません。

話を戻しますが、PERが上昇する要因は他ならぬ『業績期待』です。

例えば『超絶駄菓子ブーム』が来たとしますww

当然、駄菓子関連の銘柄は買われるのですが、駄菓子なんて何億個売っても利益への特大寄与は望めません。

従って株価のとんでもない上昇は見込みにくいでしょう。

しかしEV車ブーム(?)はどうでしょう?

今まで普通のガソリン車には搭載されていなかった新たな部品として、モーターや電池が加わります。

銘柄によっては全く新しい特大収益チャンスが生まれたことでその関連株は買われます、それは駄菓子の比ではありませんよねww

このように材料の大きさで、将来的な収益を予測し限界突破して(人の期待は大体現実を上回りますww)株価は上がっていくわけです

この原理をしっておくだけで、高騰していく銘柄に入っていいのか入ると危険なのか、どこまで付き合うかどこで逃げるか、ある程度の目途が付けられます。

…また脱線してしまいました、話をPERに戻しますww

つまりPERが100倍を超えている銘柄はさぞドでかい材料を内包しているのだろう、と推測されますね。

それでは『PER100倍を超えている』銘柄をいくつか深堀りしてみましょう。

PER100倍超え銘柄検証条件

PERが100倍を超えている銘柄というのは実はかなりの数があります。

Yahooファイナンスで調べると、最も高いPER東京個別指導学院のPER9883倍です。。

これは21年2月の業績予想がかろうじて黒字のため、悪目立ちしてしまっているようです(赤字なら検索にひっかからないので)

というわけでこのような銘柄は相当数あるので、ある程度条件を絞ります。

その条件とは『1株利益が100円以上』の銘柄です。

ただ、1株利益100円以上ある銘柄なのですべての銘柄が株価10000円以上あります。

PERが100倍以上あるにも関わらず、株価が10000円以上を維持している銘柄、是非検証してみたいですよね。

上記条件で検索した結果、4銘柄が該当しました。

それらをひとつずつ確認していきましょう♪

① レーザーテック (6920)

まずはこちら、レーザーテックです。

株価:14400円
PER:103.9倍
1株益:138.6円

半導体関連銘柄です。

チャートは教科書通りの美しい形決算進捗は素晴らしく1Qで昨年同時期の3倍強稼ぎ出しています。

ここの最強の持ち味は、世界シェアを独占している『マスクブランクス検査装置』

マスクブランクスとは、半導体デバイスを製造する元となるガラス基板の事を言います。

これの検査装置を同社がシェアを独占していることで、すべての半導体デバイスの起点を抑えているわけです、大げさではなく。。

そんな同社に世界中から投資がされているようです、これは納得ですね。。

とはいえ、とはいえですよ。

仮に1株益が現在予想の2倍を稼ぎ出したとしてもまだPERは50倍です。

やはりかなりオーバーシュートしているように思えます。。

材料としては相当な大きさですが、期待が業績を上回っているのは間違いなさそうですね(需給などは一切考慮せず)

② ヘッドウォータース (4011)

次はAI関連のヘッドウォータースです。

株価:17900円
PER:110.15倍
1株益:162.5円

上場からまだ4か月程度しか経っておらず、決算予想は未知数と言えます。

発行済み株式数が922千株しかないので、必然的に1株益は大きくなっていますね(前述したレーザーテックの発行済み株式数は94286千株)

21年12月の純利益予想がたったの180百万円なので、ここからの株価上昇にはそれなりの材料が必要に思います。

わたくしの思う適正株価は現状、6000円程度だと考えますが、AIという激熱材料を主に戦う今からの会社なので、かなり上の方で推移する可能性は高そうです。

しかし上場後、数年くすぶり続けると、地獄のような下降トレンドが延々続くので、ぜひとも頑張ってほしいところですね。

③ GMOペイメントゲートウェイ (3769)

お次は日本の覇者になるかもしれない、GMOグループの決済関連部門、GMOペイメントゲートウェイです。

株価:14060円
PER:129.47倍
1株益:108.6円

チャート、業績、将来性と、どれもパーフェクト。

ゴールドマンサックス証券も、レーティングにて目標株価を15800円としています。

特筆すべき部分は、浮動株の少なさが挙げられます。

何とわずか2.7%しかありません!!

つまり今は『株式争奪戦』が繰り広げられている可能性があります。

浮動株が少ないとプラチナチケット化する傾向があり、実力以上の価値を生み出します。

これがPER100倍以上でも更に買われ続ける要因のひとつであることはあり得そうですね。

もちろん会社として相当魅力的なのは間違いありませんので、おそらくこの水準でこのまま株高は継続しそうですね。

④ AI inside (4488)

今回紹介する銘柄の中でも相当異色な銘柄です。

株価:72000円
PER:236.07倍
1株益:305円

まだ上場後1年ちょっとの銘柄ですが、それにしても株価がぶっ飛びすぎてて笑いました、10株単元かと思いましたよw

確かに恐ろしいスピードで業績を上げており、期待度の高さはすさまじいものがありますね。

日足を見ると美しさは芸術的ではありますが、成長期待だけでこれほど株価が高騰するものなのでしょうか?

HPを覗くと導入事例が載っており、KDDIを始めとした超有名企業が同社のAI-OCR(手書き書類をデータ化し、AI技術を活用し業務改善を行うこと)を採用しており、相当な信頼度と将来性を感じます。

もうこうなってくると、高い安いの問題ではなく、欲しいという欲求が勝っているとしか思えないですね。。

業績期待はありますが、PERが50倍以下になるには今の業績を5倍以上にする必要があるわけですから尾ひれは相当ついていると言えます。

ちなみに5倍にするには60億円の純利益が必要です、いつかはクリアする時が来るかもしれませんがそれにしても現株価は高すぎますね。。

ファンダメンタルズ派が買うとは思えないので、テクニカルトレーダーおそるべし、といった印象です。。

まとめ

今回の4銘柄をまとめますと…

・何かの市場を独占している
・発行済み株数が極端に少ない
・浮動株が少なくプラチケ化している
・成長期待がえげつない
・テクニカルトレーダーが会社の実力以上の株価を追っている

などが挙げられます。

ひょっとすると上記に該当する銘柄はこれからPER100倍以上に買われる状況になるかもしれません、探す価値はありそうですね。

PERが激高の銘柄にも、業績予想が超絶悪化したものなどもあり、必ずしも人気であるわけではありません。

しかしそれ以外の高PERの銘柄には何かしらの期待値が含まれており、そに内容によっては買う価値のある銘柄も多くありそうです。

しかし忘れないでください。

こういった銘柄は決算時にかなりの調整が起こる危険性が高めです。

テクニカルトレーダー向けの銘柄であるため、ファンダ派の方には退屈な内容だったかもしれませんが、何かの参考になれば幸いです。

たまには高PERを分析してみるのも結構勉強になることも多いですよ~。

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